毎週月曜日恒例の社長ブログです。
最近、自分が関わっている取り組みを並べて、ふと考え込んでしまいました。
- 謎×Biz
- ドライブラリー
- GainJapan
- そして本業の、三協鋲螺
並べてみると、てんでバラバラに見えます。謎解きのイベント、ドライブの企画、社団法人の活動、そしてねじの専門商社。どこに共通点があるのか、はじめは自分でもうまく言葉にできませんでした。
でも、ある人にこう言われたんです。
「全部違う事業に見えるけど、”人を笑顔にする”っていう目的は、ぜんぶ同じだよね」
その一言で、霧が晴れました。
そうか。私はずっと、同じことをやってきたんだ、と。
会社って、利益を生むだけの場所だろうか
会社は、もちろん利益を生まなければ続きません。それは経営者として、一日も忘れたことはありません。
でも、それだけだろうか。
私は、会社というのは——もっと言えば「仕事」というのは、地域や社会に新しい楽しみを生み出す場所でもあると思っています。利益の向こう側に、誰かの笑顔がある。人と人、人と地域がつながる瞬間がある。そこまで含めて、はじめて「会社をやっている意味」があるんじゃないか。
そう考えるようになった原点は、実は学生時代にさかのぼります。
はじまりは、学生時代のドライブイベント
岡山の大学にいたころ、県外から来ていた学友がたくさんいました。彼らは岡山のことを、ほとんど知らない。「もったいないな」と思ったんです。こんなに面白い場所があるのに、と。
そこで、岡山を紹介するドライブイベントを企画しました。
当時は、カップルごとに車を出して、何台かで連なってどこかへ出かける——そんなスタイルが普通でした。だからこの形がぴたっとハマって、すごく上手くいったんです。みんなが岡山を知って、笑顔になって帰っていく。あの手応えは、今でも忘れられません。
実は、この「ドライブで楽しむ」という遊びには、もっと奥深い世界があります。ドライブラリー——ドライブ+ラリーです。

主催者が設定したコースを、その通りにドライブしてもらう。道中のチェックポイントを巡って、クイズを解いて点数を競う。さらに面白いのが、各チェックポイント間の距離を自分で計測して、主催者が測った実際の距離との誤差で点数がつく仕組み。一箇所だけ正解の距離が教えられているので、それを手がかりに残りを推理していくんです。
スピードを競うわけではないので、普通の車でのんびり走りながら楽しめる。最近はスタンプラリーが多いですが、それよりもずっと本格的に、ちゃんと順位が出るイベントなんです。
当時は岡山県と兵庫県あたりで開催されていて、**「西日本ドライブラリー選手権」**として年間5〜8戦。F1みたいに、年間チャンピオンシップを競っていました。
参加費は毎回3,500円。そのうち3,000円はその回のイベントの商品などに使い、残りの500円を積み立てて、年間表彰の賞品を用意する——そんなふうに運営していました。小さな仕組みですが、参加してくれた人みんなが楽しめて、一年を通して続く”物語”になるよう工夫していたんです。
そこから、私は「謎解き」にのめり込んでいきます。
一ヶ月かけて解く、宝探しの世界
ひとくちに謎解きと言っても、いろいろあります。
私が特にハマったのは、宝探しでした。それも、地域の歴史や文化を深く知らないと解けないようなタイプのもの。今ブームになっている、短時間でサクッと楽しめる街歩き型の謎解きとは、ちょっと違うかもしれません。

私が夢中になったのは、解くのに一ヶ月くらいかかるような、骨太なやつ。その土地の成り立ちを調べ、歴史をたどり、足を運んで、ようやく答えにたどり着く。あの没入感がたまらなくて、宝探しを追いかけて日本中を旅しました。
宝探しとの出会いは、岡山で開催されたイベントでした。県内のどこかに隠された宝を、最初に見つけた人に賞金50万円——というもの。翌年にはなんと100万円に跳ね上がって、私は宝を求めて県内を駆けずり回りました。
井原市が主催していたイベントにも、夢中で通いました。賞金は10万円。5年ほど続いたイベントだったのですが、その最後の年に、ついに獲得することができたんです。あの瞬間の喜びは、ちょっと言葉にできません。
「日本のどこかに100万円を隠しました」という、全国規模のイベントにも挑みました。これはターゲットの公園までは辿り着けたものの、肝心の宝は見つけられず……。悔しい思い出ですが、それすら今となっては良い宝探しの記憶です。
自分でも作るようになったのは、そうやって全国を旅するうちのことでした。そして、気づけば今に至る、というわけです。
宝探しは、地域を元気にする起爆剤になる
長くやってきて、確信していることがあります。
謎解き、特に宝探しは、地元の文化や歴史に密着したものであれば、地元愛を育てて、地域活性化の起爆剤になるということ。

自分の住む街の歴史を、謎を解きながら知っていく。「この街に、こんな物語があったのか」と発見する。その体験は、観光案内を読むのとはまったく違う温度で、人の心に「地元愛」を灯します。
もちろん、最近流行りの街歩き型の謎解きにも、地域を知ってもらうという大切な意味があります。入り口は、いろいろあっていい。でも私は、その土地に深く根を張るような宝探しの力を、ずっと信じてきました。
そんな形で、ずっとやってきたんです。
ねじ屋の私が、なぜ謎解きなのか
——さて。ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「ねじの会社の社長が、なんで謎解き?」
たしかに、本業のねじ屋とはかけ離れて見えます。私自身、長いあいだ、この二つを別々のものとして抱えてきました。
でも、冒頭の言葉を思い出してください。「人を笑顔にするという目的は、ぜんぶ同じ」。
謎解きも、ドライブイベントも、ねじの仕事も——根っこにあるのは、人と地域をつなぐということ。バラバラに見えた点が、その一本の線でつながったとき、私はようやく腑に落ちたんです。

私たち三協鋲螺は、「つなぐ力」を掲げています。
ねじというのは、部材と部材をしっかり締結して、ひとつの構造をかたちづくる小さな存在です。目立たないけれど、それがなければ何も組み上がらない。人と人、人と地域を結びつけて、ひとつの楽しい何かをかたちにする——私がやってきたことは、まさにそれと同じだったんですね。
だから私は、こう思っています。
私自身が、ねじになる。
人と地域をつなぐ結節点になる。会社という場所を通じて、利益だけでなく、笑顔と、新しい楽しみを社会に生み出していく。それが、私のやりたいことの全部なんです。
会社は、仕事だけを作る場所ではない。
これからも、そう信じて進んでいきます。

