月曜日恒例の社長ブログです。
今日はちょっと真面目な話をしてみようと思います。
― 我が社の理念に息を吹き込む ―
ずっと前から読んでいたピーター・ドラッカー。
若い頃に読んだ本に書かれていた「ドラッカー塾」っていう名前がずっと気になってて、
最近になって、ようやくその塾に通いはじめました。
読んでるだけじゃ見えてこなかったことが、
実際に通ってみると、立体的に浮かび上がってくる感じがして面白くてね。
その中で、改めて胸に突き刺さった言葉があります。
「われわれのミッションは何か?」
この問いは、経営をしてる限りずっと付き合っていくものだなと感じました。
で、僕自身がこの問いにどう答えるかを考えたとき、やっぱり立ち返るのは、
**三協鋲螺の経営理念・ミッション・そして夢(ビジョン)**なんですよね。
今日はその話をしたいなと思います。
経営理念:三つの“幸せ”が一致する会社へ
うちの経営理念は、僕が社長に就任したときに作りました。
創業は父と母。僕が入社した当初は3人でやってました。
それがだんだんパートさんや社員が増えてきて、「家族経営」から「チームの会社」に変わりつつあった頃、
父の想いや会社の歴史を聞き直して、「じゃあ、俺の代では何を軸にするか」と考えたんです。
その中でできたのが、この言葉。
社員の幸せ・お客様の幸せ・会社の幸せ
この三つの幸せが一致するような経営を行い、広く社会に奉仕・貢献する。
誰か一人だけが満足する経営じゃダメなんですよね。
お客さんのために社員が無理をするのも違うし、会社のために誰かが犠牲になるのも違う。
三つの幸せがちゃんと重なるところで、初めて長く続く会社になるって、そう思ってます。
ミッション:あらゆるものを繋ぎ、社会に貢献する
うちのミッションは、すごくシンプルです。
あらゆるものを繋ぎ、世のため・人のため・地域へ貢献する
ねじって、そもそも“何かと何かを繋ぐ”ものじゃないですか。
でも、僕らが繋ぎたいのは、金属だけじゃないんです。
人と人、信頼と信頼、会社と地域。
ねじっていう商品を通して、目に見えない「関係」や「価値」も繋げることができるって信じてます。
社員にも、ただの「ねじ屋」じゃないよってよく話します。
「何のためにこの仕事をしてるのか?」って問いに、ちゃんと答えられるようにしようって。
それが、うちのミッションの原点です。
ビジョン(夢):バカのように、喜ばれる“ねじ屋。”を目指して
うちは「ビジョン」じゃなくて、「夢」って言ってます。
ちょっと長いんだけど、そのまま紹介しますね。
僕たちの夢は、「ねじ」で機械的にモノを繋ぐだけじゃなくて、
いろんな「もの」や「人」や「思い」を繋げていって、お客様に喜んでもらえること。
そのためには、自分たち自身が、そういうことができる人間に成長しなきゃいけない。
モノを売るだけじゃなくて、繋ぎ方や選び方、考え方を一緒に考えて、モノづくりを手伝う。
そんなねじ屋でありたいと思っています。
そして、
心の温かい会社、心根の優しい人間の集団になること
社員とその家族に心から喜ばれる会社になること
これも夢の中にちゃんと書いてます。
かっこよく言えば「ヒューマンカンパニー」、だけど僕たちらしく言えば、
お客様に喜ばれることだけを、バカみたいに真剣にやる“ねじ屋。”になる
それでいいんです。
立派なビルや大きな工場はいらない。
喜ばれる仕事をやっていれば、きっと必要なものはあとからついてくる。
そう信じて、日々、小さなことから行動しています。
ミッション・ビジョンは“社員教育の柱”でもある
このミッションと夢は、うちでは「社員教育」の核にもなってます。
仕事してると、判断に迷うことって日常茶飯事なんですよね。
「これでいいのか?」「こっちの対応のほうがいいんじゃないか?」とか。
でもそんなとき、理念やミッションに立ち返ると、
「三つの幸せに繋がってるか?」とか「お客さんに喜ばれる行動か?」って、ちゃんと答えが見えてくる。
僕はよく言ってます。
「ねじを売ってるんじゃない。信頼を繋いでるんだよ」って。
最近は、謎解きチームビルディングや、取引先を巻き込んだBCP支援なんかも始めてますけど、
どれも根っこにあるのは「繋ぐ」っていう精神です。
だからこそ、社員にとっての判断軸にもなるし、自分にとっての“経営のものさし”にもなってる。
結び:ドラッカーの問いに、僕たちはこう答える
「我々のミッションは何か?」
この問いに対して、三協鋲螺として、社長として、僕なりの答えはこうです。
“あらゆるものを繋ぎ、世のため・人のため・地域へ貢献すること。”
“バカのように、お客さんに喜ばれるねじ屋になること。”
派手なことはできないかもしれない。
でも、目の前の仕事をひとつずつ、丁寧に、喜ばれるように積み重ねていく。
それが、会社を育て、人を育て、地域を豊かにしていく一番の近道だと思ってます。
追記:ドラッカーは本当に“古い”のか?
最近、「ドラッカーはもう古い」とか、「今の時代に合ってない」って言われることがあります。
でも、僕から言わせてもらうと、それを言ってる人ってたぶんドラッカー読んでないんじゃないかなって思います。
今の経営って、どうしても「数字、数字」ってなりがちですよね。
KPIや利益率で見るのは確かにわかりやすいし、判断もしやすい。
でも、それって“楽”なんですよ。答えが数字で出るから。
ドラッカーが見てるのは、数字じゃなくて「人間」です。
その会社にいる人たちが、どう働いて、どう関わって、どう価値を生んでいるのか。
そこをちゃんと見て、「この会社はこうだから成功した」って僕たちに教えてくれてる。
しかも彼は、「理屈や仕組みは、将来の学者が解明してくれるだろう」って、あえて深追いしないんですよね。
そのぶん、人間としてどうあるべきか、組織として何を大事にするかっていう本質に集中してる。
だから僕は思うんです。
ドラッカーが古いんじゃなくて、
そう言ってる人たちがまだ、“本当に大事なことを大事だと思える感性”に出会えてないだけなんじゃないかって。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
このブログが、少しでも誰かのヒントやきっかけになれば嬉しいです。