月曜日恒例の社長ブログです。
今日は、弊社の新しい取り組みである「謎xBiz(なぞっくすびず)」について書いてみたいと思います。
「ねじ屋がなぜ謎解き?」と思われる方も多いと思います。その疑問に、正直にお答えします。

■ なぜ今、チームビルディングが経営課題になのか
少子高齢化・人手不足・リモートワークの普及……。ここ数年で、「組織のつながり」が急速に希薄になってきていると感じている経営者の方は多いのではないでしょうか。弊社もその例外ではありませんでした。
採用がうまくいかない。優秀な人材を確保しようにも、中小企業には限界がある。しかし、だからといって手をこまねいているわけにはいきません。そこで私が辿り着いた答えが、「今いるメンバーの力を最大限に引き出す」という発想です。新しい人を採るより先に、今のチームをもっと強くできないか。そう考えたとき、チームビルディングというテーマが、弊社にとっての最重要課題として浮かび上がってきました。
外部環境が変わり続ける時代に、企業が生き残るためには個人のスキルだけでなく、チームとしての総合力が求められます。一人ひとりがバラバラに動くのではなく、互いの強みを活かし補い合いながら動けるチームこそが、変化に対応できる強い組織になる。私はそう確信しています。特に中小企業においては、大企業のように潤沢な人材や資金があるわけではありません。だからこそ、チーム力という”無形の資産”をどう育てるかが、会社の競争力を左右する、と言っても過言ではないのです。
そしてこのテーマと向き合っていたとき、一つの出会いが「謎xBiz」誕生のきっかけとなりました。
■ “ねじ屋”がなぜ研修キットを作るのか――「つなぐ力」という原点
弊社のキャッチコピーは「つなぐ力で、人生と社会を豊かに」です。ねじという製品は、物理的にものとものをつなぐ部品。しかし私はずっと、ねじ屋の本質は「つなぐ」という行為そのものにあると思ってきました。
そんな折、共同開発パートナーである株式会社パッションの俣野社長が弊社を訪れた際、こんな言葉をかけてくださいました。「三協鋲螺のメンバーの協調性は素晴らしい。これを何かに活かせないか」と。その言葉が、すべてのはじまりでした。2018年頃のことです。
俣野社長は「協調性促進理論」という独自のノウハウを持っておられ、チームビルディングにおいて協調性がいかに重要かを長年研究されてきた方です。その理論と、弊社が体現してきた「つなぐ力」が融合することで、何か新しいものが生まれるのではないか。そう感じた瞬間、私の中で「謎xBiz」の原型が生まれました。物をつなぐねじ屋が、人と人をつなぐ研修キットを作る。これ以上ないくらい、弊社らしいチャレンジだと思いました。
■ 既存の研修に感じていた「違和感」と、謎解きとの出会い
世の中にはさまざまなチームビルディング研修があります。しかし正直に言うと、私自身はそれらに対してずっと違和感を感じていました。「研修」という言葉が持つ、あの独特の重さ・堅苦しさ・形式的な雰囲気。参加者が本音を出しにくく、終わっても「やった感」だけが残ってしまうような体験。それではチームが本当に変わるとは思えませんでした。
そこで持ち込んだのが、私自身の趣味でもある「謎解き」です。私は謎解きが大好きで、一般社団法人GainJapanという別法人で謎解きコンテンツを手がけています。謎解きには不思議な力があります。老若男女問わず夢中になれる。失敗しても笑える。気づいたら自然にコミュニケーションが生まれている。弊社のアットホームで和気藹々とした雰囲気、あのチームワークを他の会社でも再現するには、謎解きが最適だと確信しました。
「ビジネスの場で研修をするなら、せめて楽しくあるべきだ」という思いと、「協調性こそがチームの核心だ」という俣野社長の理論が合わさって、謎xBizというコンセプトが完成したのです。
■ 「謎xBiz」とは何か――コンテンツの中身と特徴
謎xBizは、職場のチームビルディングに特化した謎解き研修キットです。謎解きのコンテンツ自体はGainJapanが開発し、それをビジネスの現場で使えるキットとしてパッケージングしているのが弊社・三協鋲螺の役割です。
このキットの最大の特徴は、俣野社長が開発した「協調性促進理論」をコアに据えている点です。謎を解くプロセスの中に、自然と協調性を高める仕掛けが組み込まれています。参加者は遊んでいるつもりで、実は協調性を実践的に学んでいる。そこが他の研修キットとの大きな違いです。
対象は社内の研修や懇親会、チームミーティングの場など。少人数から複数チームに分かれての実施まで対応しています。特別な設備は不要で、会議室や休憩スペースなど普通のオフィス空間で実施できます。また価格帯も中小企業が手を出しやすいよう設計しており、「研修費用が高くて踏み出せない」という会社にこそ使ってほしいキットです。
■ 開発の苦労と、現場で起きたリアクション
もちろん、開発は簡単ではありませんでした。一番苦労したのは「難易度設定」です。職場で行う研修である以上、参加者の年齢層は20代から60代まで幅広い。謎解き経験者もいれば、「謎解きって何?」という方もいる。そのすべての人が楽しめる難易度を設計することが、本当に難しかった。
謎のコンテンツそのものはGainJapanが作りますが、それをキットとしてコーディングし、難易度調整を行うのは弊社の仕事です。「簡単すぎてつまらない」でも「難しすぎて脱落者が出る」でもいけない。絶妙なバランスを見つけるために、何度もテストプレイを繰り返しました。
テストプレイの中で特に印象的だったのは、役員クラスのチームと若手社員のチームが同時に参加した回です。役員チームは知識量と経験値でじっくり考え、若手チームは直感とひらめきで一気に突破する。両チームが異なるアプローチで謎に挑み、それぞれの強みを発揮している姿を見て、「これがチームの機能だ」と実感しました。また、謎解き未経験の方がほとんどの回でも、みなさん楽しそうに夢中になって参加していたのが本当に嬉しかった。最初の反応はシンプルに「ゲームが面白い!」でしたがw、その体験の中にしっかりとチームビルディングの本質が組み込まれていたことが、開発者として一番の手応えでした。
■ 謎解きが生み出す「協調性」と組織への本質的な効果
なぜ謎解きがチームビルディングに効くのか。その本質は「自分の強みでチームに貢献する体験」にあると思っています。
謎解きは、一人の天才が全部解けるようにはできていません。知識が必要な問題、論理的思考が必要な問題、発想力が必要な問題、体力や動体視力が必要な問題……さまざまな要素が絡み合っています。つまり、チームで取り組むことが前提の設計になっているのです。そのプロセスの中で、年齢の高い方が知識量で貢献したり、若手がひらめきで突破口を開いたりする場面が自然と生まれます。普段の業務ではなかなか見えない、メンバーの別の顔が見えてくる。これが「心理的安全性」の醸成につながると感じています。
心理的安全性とは、失敗を恐れずに発言・行動できる状態のことです。謎解きの場では、間違えても笑える。バカにされない。むしろ「惜しかった!」「そっちの発想か!」という会話が生まれる。この体験が、職場でも「失敗していい、意見を言っていい」という空気を育てることにつながるのです。俣野社長の「協調性促進理論」が指摘するように、協調性こそがチームの根幹。謎解きはその協調性を実践的に鍛える最高の場だと、私は確信しています。
■ ねじ屋だからできる、”つなぐ”ビジネスの未来
謎xBizは、もともと「研修に手が届かない中小企業のために」作ったキットです。大手企業のような潤沢な研修予算がなくても、チームを強くしたいと願う中小企業の経営者に、低価格で本質的なチームビルディングの機会を届けたい。それが私たちの願いです。
採用が難しい時代だからこそ、今いるメンバーの力を最大限に引き出すことが重要です。新しい人を採ることよりも、今のチームが本当の意味で機能するように育てること。その一助となれるなら、ねじ屋がチームビルディングに取り組む意義は十分にあると思っています。
「ものをつなぐ」から「人をつなぐ」へ。三協鋲螺が掲げる「つなぐ力で、人生と社会を豊かに」という理念は、ねじという製品だけでなく、謎xBizというサービスを通じても実現できる。そう信じています。いつか、この謎xBizが全国の中小企業に広がり、日本中のチームが少しでも強く、楽しく働けるようになれたら。そんな未来を描きながら、今日も私たちは動き続けます。
謎xBizにご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒に「チームの力」を育てましょう。


